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Israel Music Compilation -3 by Masataka Ishida 石田昌隆

白を身に着けている人のヘッドショット

石田昌隆 / Masataka Ishida

1958年生まれ。著書/写真集は、『1989 If You Love Somebody Set Them Free ベルリンの壁が崩壊してジプシーの歌が聴こえてきた』、『Jamaica 1982』、『ソウル・フラワー・ユニオン 解き放つ唄の轍』、『オルタナティヴ・ミュージック』、『黒いグルーヴ』。撮影したCDジャケットは、ジャネット・ケイ、ガーネット・シルク、タラフ・ドゥ・ハイドゥークス、ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン、フェイ・ウォン、矢沢永吉、ほか多数。

CONCEPT

イスラエルのユダヤ人といえば、東欧とドイツから旧ソ連にかけての周辺の地域から移民してきた人々とその子孫、というイメージが強いのではないだろうか。実際、歴代の首相はすべてそうだ。  しかしイスラエルのユダヤ人の半数は、48年にイスラエルが建国されたことによって迫害されるようになり、モロッコ、イエメン、イラク、エジプトなどから逃れてきたユダヤ人、79年のイスラム革命のときイランから移民してきたユダヤ人、80年代のエチオピアの飢饉のとき救出された黒人のユダヤ人とその子孫たちなのだ。彼らはイスラエルでは2級市民扱いされて東欧系のユダヤ人に同化するように暮らす人が多かったが、音楽の世界では彼らは昔から活躍していて受け入れられていた。  それが近年になって加速して、今やイスラエルの音楽は、欧米のロックやジャズ、東欧のクレズマー、アラブ音楽、アラブ・アンダルース音楽、ペルシャ音楽に、ギリシャやトルコの音楽など、さまざまな音楽がミックスされた世界で最もハイブリッドといえる音楽が次々と出現してくるようになっている。その背景には、東欧系ではないイスラエルのユダヤ人が自らのルーツに誇りを持って対峙するようになってきたという変化がある。  イスラエルには他に、アラブ人やドゥルーズ派など少数民族の音楽もあり、豊穣な文化が交錯している。(石田昌隆さんメッセージ)

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