「その他」の側から世界を見る―。
翻訳大国日本。多くの外国文学が翻訳され、読まれている。その中には日本では学習者が少なく、「その他」とくくられる言語によるものも含まれる。
しかし、「その他」だといって存在感が小さいわけではない。インディペンデントな文学賞として知られる「日本翻訳大賞」の第一回大賞の二作品は、韓国語とチェコ語による作品だった。いずれも「その他」に分類される作品が、読者からも、翻訳者からも多くの評価を得たこと自体が、このカテゴリーの奥深さのあらわれではないだろうか。
では、「その他」を生み出しているのはどのような翻訳者たちなのか?
日本では馴染みの薄い言語による文学を、熱意をもって紹介してきた九人の翻訳者が、その言語との出会いや学習方法、翻訳の工夫、そして文学観を語るインタビュー集。
ヘブライ語は『アンチ』(岩波書店)の翻訳された鴨志田聡子氏が紹介されている。
◇四六判 228 頁 定価(本体1,900 円+税)白水社 2022年2月28日発売
序文・斎藤真理子
鴨志田聡子( ヘブライ語)
星泉( チベット語)
丹羽京子( ベンガル語)
吉田栄人( マヤ語)
青木順子( ノルウェー語)
金子奈美( バスク語)
福冨渉( タイ語)
木下眞穂( ポルトガル語)
阿部賢一( チェコ語)
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