15/11/13
メナヘム・ゴーラン映画祭 Menahem Golan Film Festival
UP COMING
Event Details
伝説の映画会社「キャノン・フィルムズ」創設者であり、映画プロデューサー、映画監督でもある、昨年逝去したメナヘム・ゴーランを追悼するレトロスペクティブ<メナヘム・ゴーラン映画祭>がシネマート新宿、およびシネ・ヌーヴォ(大阪)で同時に開催されます。またあわせて、メナヘム・ゴーランとその従兄弟でビジネス・パートナーとして長年協働してきたヨラム・グローバスの一代記を追ったドキュメンタリー映画『キャノンフィルムズ爆走風雲録』もロードショー公開されます。
~キャノンフィルムズとゴーラン‐グローバス~ Cannon Films & Golan‐Globus
80年代ハリウッドに大旋風を巻き起こした「キャノン・フィルムズ」の創設者メナヘム・ゴーラン。1929年生まれ、イスラエル出身のメナヘムは、ロジャー・コーマン監督作『ヤングレーサー』の助監督をしたことがきっかけとなり本格的に映画作りに参入した。プロデューサーであり、映画監督でもあるメナヘムは、彼の実の従兄弟であるヨーラム・グローバスと組み、低予算のジャンルムービーを次々に製作していった。とりわけ70年代後半、『サンダーボルト救出作戦』(1977年)や『グローイング・アップ』(1978年)といった映画の大ヒットを受け、ハリウッドのインディペンデント製作会社キャノンを買収。製作、配給、興行を含めた総合的な映画会社として、ハリウッドにキャノン帝国を作り上げることとなった。メナヘムが2014年に惜しくもこの世を去るまで、彼らの手がけた作品は数百本に及ぶ。ジョン・カサヴェテスからトビー・フーパー、そしてショー・コスギやジャン=クロード・ヴァン・ダムまで、ジャンルを超えて、映画の道の全方位へ突き進んだキャノン・フィルムズ。このたびのレトロスペクティブでは、イスラエル時代からキャノン・フィルムズ全盛期までの映画の中から13本+新作ドキュメンタリー『キャノンフィルムズ爆走風雲録』を上映する。
日時:11月14日(土)~11月27日(金)
場所:シネマート新宿(東京都新宿区新宿3−13−3 新宿文化ビル)、シネ・ヌーヴォ(大阪市西区九条1-20-24 )
料金:1100円均一 (『キャノンフィルム爆走風雲録』のみ1500円)
公式サイト:http://cannonfilms2015.com/
①『キャノンフィルムズ爆走風雲録』 The Go-Go Boys: The Inside Story of Cannon Films ‒ Golan/Globus
2014年/イスラエル/89分
監督:ヒラ・メダリア
出演:メナヘム・ゴーラン、ヨーラム・グローバス、シルヴェスター・スタローン、ジャン・クロード・ヴァンダム、ジョン・ヴォイト、チャールズ・ブロンソン、チャック・ノリス、イーライ・ロス、ほか
11月14日(土)よりシネ・ヌーヴォ、21日(土)よりシネマート新宿、名古屋ピカデリーにて公開!
新宿:11月14日(土)16:35←この上映の後、監督トーク / 11月24日(火)09:45
大阪:フェスティバル期間中毎日(上映時間は毎日違うので会場にお問合せください)/11月15日(日)12:10←この上映後に監督トーク
イスラエル出身の従兄弟メナヘム・ゴーランとヨーラム・グローバス。映画監督でもあるメナヘムとプロデューサーとして高い資質を持つヨーラムのコンビは、低予算のジャンルムービーを次々に製作し、『グローイング・アップ』シリーズや『デルタ・フォース』、『暴走機関車』、そして『狼よさらば』シリーズなど、メジャー映画会社を超える制作本数でヒットを量産。巨万の富を稼ぎ、一時代を築いていく。しかし、情熱で始めた映画は、やがて大きな資本の流れにまみれ、ふたりの関係にも亀裂が入っていくこととなる… 。
ヒラ・メダリアHILLA MEDALIA ←来日します!
ピーボディ賞受賞、エミー賞に3度ノミネートされた映画監督、プロデューサー。作品は批評家から高い評価を得て、国内外の劇場、HBO、MTV、BBC、ARTEなどの放送局で放映されている。主な作品に「To Die in Jerusalem」(2007年/HBO放映)、「After the Storm」(2009年/MTV放映)、「Numbered」(2012年/ARTE放映)、「Dancing in Jaffa」(2013年/トライベッカ映画祭、IFCサンダンスセレクション上映)、「Web Junkie」(2014年/サンダンス映画祭上映/PBS、BBC放映)、『キャノンフィルムズ爆走風雲録』(2014年/カンヌ国際映画祭上映)。最新作「Censored Voices」(2015年)は、サンダンス映画祭とベルリン国際映画祭にてプレミア上映され、今秋に劇場公開を予定している。南イリノイ大学にて文学修士修得。
②『エルドラド』 El Dorado
1963年/イスラエル/88分/35ミリ
監督・脚本:メナヘム・ゴーラン/製作:モルデハイ・ナヴォン
出演:ハイム・トポル、ギラ・アルマゴール、ヨッシ・ヤーデン、シャイケ・オフィール、ほか
新宿:11月14日(土)19:10 / 11月16日(月)14:40
大阪:11月22日(日)20:50 / 11月24日(火)20:55
暗黒街を舞台に、弁護士令嬢と売春婦との恋愛模様を織り交ぜ、闘い抜く男の姿を描く。イスラエルの小説家Yigal Mosenzonが書いた戯曲が原作。2012年には東京フィルメックスの『イスラエル映画傑作選』にて日本でも上映。
映画版『屋根の上のギター弾き』で主役を務めたハイム・トポルを主演に迎え、正統派フィルム・ノワールとも言える端正なタッチで描かれる傑作。
③『アイ・ラブ・ユー・ローザ』 Ani Ohev Otach Rosa (I Love You Rosa)
1972年/イスラエル/72分/35ミリ
監督・脚本:モシェ・ミズラヒ/
出演:ミハル・バット‐アダム、ガビ・オッターマン、ヨセフ・シロア、レヴァナ・フィンケルシュテイン、ほか
新宿:11月15日(日)16:35 / 11月17日(火)19:25
大阪:11月21日(土)19:25 / 11 月23日(月・祝)16:40
1972年カンヌ映画祭のコンペティションに出品され、翌年にはアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。時代設定は19世紀後半。ユダヤ人のニシムは、ユダヤの古い慣習にもとづき、死んだ兄の妻だったローザと結婚する義務があった。兄が亡くなった当時11歳だった彼だが、成長するにつれてローザへの愛情は大きくなる。一方、ローザは、あまりに年の離れたニシムとの結婚に戸惑いを感じ、彼と距離をおく。長い月日が過ぎてもニシムのローザを愛する気持ちは変わらず、ローザのもとへ戻る。ともに過ごしていく中で、ふたりの関係は変化していく。
④『グローイング・アップ』 Esikmo Limon (Lemon Popsicle)
1978年/イスラエル/95分/デジタル
監督・脚本:ボアズ・デヴィッドソン
出演:イフタフ・カツィール、ジョナサン・サガール、ツァヒ・ノイ、アナト・アツモン、ほか
新宿:11月23日(月・祝)19:00 / 11月26日(木) 09:45
大阪:11月18日(水)14:40 / 11月19日(木)10:50
アメリカ映画と思われているが、実はイスラエル発の、とびきりエッチな青春コメディ映画。17歳の高校生達の行動を通して、友情、初恋と失恋、SEX、そして、思春期真っただ中の10代誰しもが体験するであろう喜びや苦悩、不安などを描いている。
⑤『アップル』 The Apple
1980年/アメリカ・西ドイツ/90分/デジタル
監督・脚本:メナヘム・ゴーラン
出演:キャサリン・メアリー・スチュアート、ジョージ・ギルモア、ほか
新宿:11月21日(土)17:00 / 11月25日(水)19:00
大阪:11月18日(水)12:40 / 11月20日(金)10:50
メナヘム・ゴーランが監督、脚本、プロデューサーの3役を務めるSFロックミュージカル映画。「近未来」である1994年の音楽業界を舞台に、「服従と反抗」というテーマを「アダムとイヴ」をはじめとした聖書の逸話を織り交ぜながら描いている。公開当初は酷評ばかり受けていたが、後になってカルト的な人気を博すようになった。
⑥『タフガイは踊らない』 Tough Guys Don't Dance
1987年/アメリカ/110分/デジタル
監督・脚本:ノーマン・メイラー
出演:ライアン・オニール、イザベラ・ロッセリーニ、デブラ・サンドランド、ウィンゲス・ハウザー、ローレンス・ティアニー、ペン・ジレット、ジョン・ベットフォード・ロイド、フランシス・フィッチャー、ほか
新宿:11月19日(木)14:40 / 11月25日(水)09:45
大阪:11月15日(日)10:00 / 11月16日(月)12:40
ノーマン・メイラーの同名小説を、メナヘム・ゴーラン製作により原作者自身が監督して映画化したサスペンス・スリラー。製作総指揮にはフランシス・フォード・コッポラが名を連ねる。妻に逃げられ酒に溺れる作家のティムは、断片的に覚えている奇妙な5日間のことを振り返る。大麻の隠し場所から見つかった女の首。怪しく迫り来る警官と、その妻である美しい元恋人。元妻との乱れた生活。霊との交流。果たして自分が本当に殺人を犯したのか…。
⑦『ニンジャ』 Ninja Ⅲ: The Domination
1984年/アメリカ/92分/デジタル
監督:サム・ファーステンバーグ/脚本:ジェームズ・R・シルケ
出演:ショー・コスギ、ルシンダ・ディッキー、ヨルダン・ベネット、デヴィッド・チョン、デール・イシモト、ジェームズ・ホン、ボブ・クレイグ、ほか
新宿:11月20日(金)19:05 / 11月23日(月・祝)09:45
大阪:11月14日(土)12:40 / 11月16日(月)14:50
日本人俳優ショー・コスギ、ヒロインにルシンダ・ディッキー。死んだニンジャの魂が、エアロビクスインストラクターをしている女性の身体に取り憑いてしまう。自分を殺した相手に復讐を計っているのだ。彼女の魂が解放される方法はただひとつ。他のニンジャとの戦いによってのみだ。「いかにも滑稽なストーリーラインだが、そのアクションシーンは一流だ。目を見張るセットの中で起こるアクションとホラー/ファンタジーの融合が素晴らしい」とフィルムソサエティー・リンカーンセンターで紹介された。
⑧『バーフライ』Barfly
1987年/アメリカ/100分/デジタル
監督:バーベット・シュローダー/脚本:チャールズ・ブコウスキー
出演:ミッキー・ローク、フェイ・ダナウェイ、アリス・クリーグ、フランク・スタローン、J・C・クイン、ほか
新宿:11月19日(木)18:55 / 11月22日(日)17:00
大阪:11月15日(日)14:40 / 11月17日(火)10:50
LAダウンタウン。<バーに群がるハエ>ことヘンリー・チナスキー(ミッキー・ローク)は今夜も酒屋に入り浸り。そんなところへ互いに正反対のふたりの女性が現れる。煙草を吸いながら泥酔する美しいワンダ(フェイ・ダナウェイ)、出版社を経営する裕福で高貴なタリー(アリス・クリーグ)。監督バーベット・シュローダーがブコウスキーに脚本執筆を持ち掛けてから8年、メナヘム・ゴーランにこの映画を作る気がないなら、今ここで自分の指を切り落とすと、電気のこぎりを手にキャノン・フィルムズ社に怒鳴り込みにまでいったという伝説的映画。
⑨『ラヴ・ストリームス【復元ニュープリント版】』 Love Streams
1984年/アメリカ/141分/デジタル
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ、ジョン・カサヴェテス、ダイアン・アボット、リサ・マーサ・ブルイット、シーモア・カッセル、ほか
新宿:11月15日(日)18:20 / 11月17日(火)14:40
大阪:11月21日(土)16:40 / 11月23日(月・祝)18:15
ハリウッドのスタジオ・システムを拒否し、生涯「自主制作」という立場で映画を撮り続けた鬼才ジョン・カサヴェテス。「アメリカン・インディーズ映画の父」と呼ばれる彼の、晩年の代表作が本作だと言えるだろう。自分の愛を思うように表現できないまま、愛や孤独をテーマとした小説を執筆する弟と、激しすぎるほど夫や娘に愛情をむけたため、精神のバランスを崩し次第に狂気へと陥っていく姉。対照的な“愛”のかたちを持つ姉弟の、内面の揺れ動きに焦点をあてる。
⑩『スペース・バンパイア』 Lifeforce
1985年/イギリス・アメリカ/116分/デジタル
監督:トビー・フーパー/脚本:ダン・オバノン、ドン・ジャコビー
出演:スティーヴ・レイズルバック、ピーター・ファース、フランク・フィンレイ、マチルダ・メイ、ほか
新宿:11月21日(土)19:00 / 11月27日(金)19:00
大阪:11月25日(水)20:55 / 11月26日(木)18:25
タイトル通り「宇宙から来た吸血鬼が、地球をパニックに陥れる」という内容の本作。しかしながらこの映画一番の見どころは、女性バンパイアを演じたマチルダ・メイの当時19歳の裸体であるかもしれない。彼女は文字通り体当たり演技で、男に全裸で抱きついて精気を吸い取っていく。かつて淀川長治が、この作品を「日曜洋画劇場」で紹介する際、内容そっちのけで彼女の美乳について語り続けたというエピソードも有名である。
⑪『ブラッドスポーツ』 Bloodsport
1988年/アメリカ/92分/デジタル
監督:ニュート・アーノルド/脚本:シェルドン・レティック
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ドナルド・ギブ、リア・エヤーズ、ノーマン・バートン、ボロ・ヤン、ヴィクター・ウォン、フォレスト・ウィッテカー、ロイ・チャオ、ほか
新宿:11月22日(日)19:00 / 11月26日(木)19:00
大阪:11月19日(木)14:40 / 11月20日(金)12:50
ジャン=クロード・ヴァン・ダムのカタコト英語が愛らしい! 彼が演じる米国軍人フランクは、親友である師匠の意思を引き継いで、香港で開催される格闘大会「クミテ」の王者を目指すのだ。制作費は1億円だったが、興行収入11億円を超す大ヒットとなり、3本の続編が作られた。
⑫『幽霊伝説/フランケンシュタイン誕生物語』 Haunted Summer
1988年/アメリカ/106分/デジタル
監督:アイヴァン・バッサー/脚本:ルイス・ジョン・カリーノ
出演:エリック・ストルツ、ローラ・ダーン、アリス・クリーグ、フィリップ・アングリム、ピーター・バーリング、ドン・ホドソン、テリー・リチャーズ、アレックス・ウィンター、ほか
新宿:11月24日(火)19:00 / 11月27日(金)09:45
大阪:11月14日(土)14:35 / 11月17日(火)12:45
舞台は1816年、5人の若いイギリス人男女がスイスの湖畔にある館に集まり、哲学的議論や詩作、恋に耽る。文学的情熱、反抗心の奮起、情緒的アヘン、屈折したエロスが交じり合う。しかし、倦怠で耽美な時間もつかの間、彼らの前に不穏な悪夢と幽霊が影を落とす...。『フランケンシュタイン』が書き上げられたと言われるディオダティ荘で起きた、19世紀の大詩人バイロンと作家シェリーらの一夏のフィクション。日本劇場未公開作品。監督は60年代チェコ・ヌーヴェルヴァーグの中心的人物アイヴァン・パッサー。
⑬『カザブラン』 Kazablan
1974 年/イスラエル/122 分/35 ミリ
監督・脚本:メナヘム・ゴーラン/脚本:ハイム・ヘフェル、イガル・モセンゾン
出演:イェホラム・ガオン、エフラット・ラヴィ、アリエ・エリアス、エティ・グロテス、イェフダ・エフロニ、ほか
新宿:11月16日(月)18:35 / 11月18日(水)14:10
大阪:11月22日(日)18:30 / 11月24日(火)18:30
「イスラエルの『ロミオとジュリエット』」と言われるミュージカル映画。主人公の退役軍人カザブランは今やギャンググループのリーダーだ。中東系ユダヤ人である彼が恋に落ちた女性レイチェルはヨーロッパ系ユダヤ人。文化の違いや街のスキャンダル、家族の確執などが渦巻く中、隣人達にはもうひとつの心配ごとがあって…。1966 年にはミュージカルとして上演、主演のイェホラム・ガオンの成功は、その後演劇界に進出していくたくさんの中東系ユダヤ人にとっての希望の星となった。この映画でも再び彼が主役を演じている。
⑭『サンダーボルト救出作戦』 Mivtsa Yonatan (Operation Thunderbolt)
1977 年/イスラエル/124 分/35 ミリ
監督:メナヘム・ゴーラン/脚本:クラーク・レイノルズ
出演:クラウス・キンスキー、ヨーラム・ガーオン、シビル・ダニング、アサフ・ダヤン、オリー・レヴィ、ほか
新宿:11月18日(水)18:35 / 11月20日(金)14:40
大阪:11月25日(水)18:30 / 11月26日(木)16:00
タイトルの「サンダーボルト救出作戦」とは、1976 年、テルアビブからパリへと向かう飛行機が4人のテロリストたちによってハイジャックされた事件に対してとられた、極秘救出作戦のことを指す。単なるハイジャック事件と異なるのは、その背景にイスラエルとウガンダの国際的対立が含まれている点で、それを受け本作は単なるサスペンスに留まらず、社会派映画としても見応えのある作品となった。製作・監督がイスラエル人であるゴーランということもあり、視点や人物造形は非常にリアルであり、ドラマにも説得力がある。
「メナヘム・ゴーラン映画祭」
作品についての問合せ:boid TEL 03-3356-4003(平日のみ)
上映についての問合せ:映画祭の劇場に関してはこちらhttp://cannonfilms2015.com/golanfes_schedule.html