22/9/23
ロネン・シャピラ作曲・演奏、新作オリジナル・オペラ『地獄変』
UP COMING
Event Details
この度シアターΧプロデュース公演、芥川龍之介原作『地獄変』を上演いたします。ちなみに劇場シアターΧが建つ両国は、ことし生誕130年でもある芥川が育ち、その生涯の半分以上を過ごした縁浅からぬ地です。
『地獄変』は 正宗白鳥が芥川の最高傑作という作品。平安時代の権力者・大殿と本朝一の絵師・良秀との葛藤のものがたり。最高の地獄絵を描くように命じられた良秀はそれを描くためには「牛車ごと生きたままの貴婦女を焼くのを眺めたい」と所望。 (人は人を焼けるものなのか。人は人に焼かれるときの「生き方」とは? )
あげく、目の前で焼かれたのは良秀の愛娘であった。至高の地獄絵を仕上げ、良秀も首を吊る。
この芥川作品の、重層構造になる惨いテーマに挑むロネン・シャピラの作曲や演奏もまた、従来の「西洋に支配されている音楽」の枠組みをとびだす、「いま」の超克をめざすもの。すなわち、非平均律の東洋的・アラブ的・ジャズ的・ロック的……
現代センスあふれる音色を駆使し「サラダ的な混合ではなく融合をめざす」という、 文字どおりのオリジナルな新作オペラ。
クライマックスのソプラノによるエモーショナルでメロディアスなアリアは 真正、絶品の美しいものに仕上がっています。
2012年に初演した本作品、今回は新演出として井田邦明自身が美術なども一新、 ロネン・シャピラもスタインウェイのフルコンサートグランドピアノと、シャピラ自身が調律し、独特の音階を奏でるマルチカルチュラル・ピアノ(Multicultural Piano)を演奏。
権力者大殿には、二期会のベテラン 池田直樹。対する良秀には、東京芸大声楽科出身で演劇集団・円所属という異色な経歴の寺尾貴裕。 娘には、2012年にも出演の荒牧小百合。 そして今回あらたに語り手として俳優座出身の女優・大西加代子、娘を慕う猿役には現代舞踊の仲野恵子というユニークなキャスティングになっております。
●プロフィール●
■原作 芥川龍之介
1892-1927年(生誕120年)。鬼才の小説家。東京の下町生まれ、両国育ち。江東尋常小学校(現両国小)、府立三中(現都立両国高校)、第一高等学校、東京帝国大学英文科卒。大学在籍中より創作活動をはじめ短編を多く残した。『羅生門』『藪の中』は黒沢明監督で映画化されている。代表作『鼻』『藪の中』『河童』『歯車』『地獄変』など。35歳で自殺。
■作曲 ロネン・シャピラ
イスラエル、1966年生まれ。新進、国内外で嘱望されている作曲家、ピアニスト。室内楽、管弦楽、演劇、映画の作曲。クラシックのみならずジャンルを超えて活躍。作品はイスラエル・フィルやハンガリー交響楽団などで演奏。ユダヤ人とアラブ人構成のオーケストラ創設など。 05年総理大臣賞を受賞。2017年、18年とニューヨーク・カーネギーホールにて
”Concert for a Sustainable Planet”に出演、自作を初演する。
■演出 井田邦明
1950年横浜生まれ。演出家。桐朋学園を卒業、安部公房スタジオ所属後に渡欧。ミラノにてパオロ・グラッシィ演劇学校教師や井田邦明国際演劇学校を開校。イタリアやポルトガル、日本でもオペラや演劇を演出。イタリアの歌手ミルバのコンサートの演出。シアターXではダリオ・フォーや近松作品を演出。
■台本 入市 翔
1964年東京生まれ。東京大学で基礎科学を専攻、環境事業に携わった後に、翻訳業へ。ヴィトキェヴィッチ『母』やストリンドベリ『死の舞踏』の翻訳のほか、シアターΧのモーツァルト「あえて、小さな『魔笛』」の翻案も手がける。
●公演概要●
―シアターΧ創立30周年記念― 新作オリジナル・オペラ『地獄変』
■原作 芥川龍之介
■台本 入市 翔
■作曲・演奏 ロネン・シャピラRonen Shapira(イスラエル)
■演出・美術 井田邦明(イタリア)
■出演 大殿: 池田直樹(バス・バリトン)
良秀: 寺尾貴裕(テノール)
娘: 荒牧小百合(ソプラノ)
若殿: 冨田真理(メゾソプラノ)
家司: 白石陽大(バリトン)/木村雄太(バリトン) ダブルキャスト
猿: 仲野恵子(現代舞踊)
語り: 大西加代子(俳優)
コーラス:河野アンジェラ(ソプラノ) 高橋茉椰(ソプラノ)
阿部蒼平(テノール)
■スタッフ 照明:森下泰 舞台監督:菅沢晃 衣装:有島由生
ドローイング:田村登留 筆字:森田睦 チラシデザイン:斎藤貴朗
■公演日程 2022年 9月 23日(金)14:00 / 24日(土)14:00 / 25日(日)14:00
■チケット 千円 全席自由(高校生以下 五百円)
■劇 場 東京・両国 シアターΧ(カイ)
■企画・製作 シアターΧ(カイ)
東京都墨田区両国2-10-14 両国シティコア
TEL:03-5624-1181 FAX:03-5624-116
http://www.theaterx.jp/ info@theaterx.jp