ラファエル

ラファエル

「ラファエル」作品情報
著者:イリット・アミエル Irit Amiel
英語名:Rafael
ヘブライ語名:Rafael

収録書籍
英語名:Scorched
ヘブライ語名:Tzervim
出版社:Carmel
出版年:2002
翻訳:母袋夏生 (ヘブライ語) Translation by Natsu Motai (from Hebrew)

作品紹介

「日記の一葉」「リンカ」「ラファエル」の背景について:
"Daf Miyoman (A Leaf of Diary)","Linka" (Linka) and "Rafael" (Rafael) from "Tzervim(Scorched)"
by Irit Amiel , Carmel, Jerusalem, 2002

訳出したのは"灼焦 Tzervim(Scorched)"の冒頭3篇である。
薄手の短編集に2、3ページ、長くても10ページほどの短篇が24篇収められているが、そのいずれもが「ショア(ホロコースト)の物語的証言」といえるほど緊迫している。一読するとわかるように、「日記の一葉」は作家自身の日記である。
イリット・アミエルは目撃者として、自らの、そして子ども時代の友人たちの記憶を手がかりに、イスラエルに暮らす人々の長い沈黙を、証言として再生する。修飾や美辞や心理描写のいっさいを省き、おさえた筆致で事実のみを、率直に淡々と記している。各作品の主人公たちはショアをくぐり抜けて生きのびたが、その人生にはショアの黒い影が落ち、ときにのしかってその生を奪い取る。生きのびた市井の人々の「その後」の、なんと重いことか。
歴史学者サー・マーチン・ギルバートは英語版(2006)の序文に、<それぞれの話の即時性や強靱さが、経験の真正さが、いかほどかを明示している。イリット・アミエルはそれぞれのページのなかで彼らを再び生かし、それぞれの人物はイリットによってページの中で再び生きている>と記している。なお、同書のポーランド語版"Osmaleni"(1999)はポーランド文学界最高のNIKE賞を受賞、優良20作品にも選ばれた。*